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深夜過ぎ。
具体的に言うと真夜中二時。
俺は最大の危機を迎えていた。

「…うーっ」

もぞもぞと布団の中で二度寝しようと頑張ってみたが、もう無理!
諦める!
元々、夜中に一度起きると妙に覚醒してしまうクセがあるし、コトを処理しないことにはどうしようもない!
仰向けになっていた体を俯せにし、枕に顎を置いて片腕を伸ばした。
枕合わせにずらりと寝ている合宿の大部屋で、斜め向かいに寝ている頭に向けてぐぐぐ…と腕を伸ばす。
向かいに寝ている奴ならともかく、斜めとなると思いの外距離があって指がギリギリ。
延ばした指は、ちょっと相手の髪先に触れた程度で本体には届かなかった。
腕を引っ込め、両手で顎を乗せている枕をぎゅっと掴む。
うぐぐ…。
ぐっと唇を一度噛んでから、口を開く。

「…あかあしーっ」

明かりを消した部屋の中、小声で呼んでみる。
…が、反応は無い。
がーがーぐーぐーと連中の寝息が聞こえるばかりだ。
疲労困憊。
連日の合宿、後半になってくればくるほどこんなもんだ。
そりゃ、疲れてるってーもんだ。
本当なら木葉とか小見とかぶっ叩いて起こしたいところだが、前それやって軽くキレられたから流石にもうあんまり起こせない!
こーゆー時は後輩だっ!
…ってことで、ずるずるほんの少し匍匐前進し、距離を縮めてもう一度腕を伸ばす。

「あかーしっ。あかーし!」
「……」

あくまで小声で。
べちべち赤葦の耳元の敷き布団を叩くと、鬱陶しそうに身動ぎして、顎まで布団を被り直してしまった。
起きろよ…!
更に匍匐前進し、殆ど上半身を布団から出して枕を腹の下に、赤葦の肩を揺する。

「なあ、起きろって。赤葦っ」
「………なんなんですか…」
「ウザそう!」

少し鼻にかかった声でようやく眠たげな目をあけ、赤葦がちらりと俺を見上げた。
露骨にウザそう!
俺、先輩なのにっ!
まー確かに、寝てるトコロ起こすの悪いなーとは思う。
…だが!しかし!
俺は今猛烈にピンチなの…!!
続けてゆさゆさと肩を揺らす。

「トイレっ。トイレ付き合って赤葦、トイレ…!便所っ!」
「……」
「背中向けない!」
「………ひとりでいってくださぃよぉ…」

呂律の回らない舌で、赤葦が丸くなる。
先輩に背中を向けて丸めないの!それ禁止!!
夢中で赤葦を起こしにかかっていると、隣で寝ている木葉が小さく呻いてギクゥッ!と肩が跳ねる。
木葉なんか起こしたらフルボッコですよ!?
いつの間にか大きくなっていた声をまた最初っぽく抑えて、赤葦のシャツを引っ張る。
森然高校の合宿所だし、トイレは各部屋じゃなくて廊下にある。
ドア開けてちょっと行くだけ。すぐそこだ、そこは分かってる。
俺だってフツーなら一人で行ける!
だがしかしっ…!

「赤葦、時計見て、時計!ほらほらっ」
「………」

左手で赤葦の肩のとこのシャツ引っ張りながら、眼前に携帯を突き付ける。
眩しいのか、一度思いっ切り顔を顰めてから、ものすごい悪人面で赤葦が俺の突き付けた携帯の液晶を見る。

――02:04。

時間を見た赤葦が、げんなりした声で呟く。

「にじ……」
「丑三つ時!」

二時とかじゃないっ、丑三つ時!
呪いのお時間ですよ!?
俺も普通に一時とか三時とかに起きて便所行きたいとかってなったら、そりゃ一人で行くわ。ガキじゃないってーの。
…だがしかし、二時前後と四時四十四分前後は無理!
その時間は無理!
絶対何かある!
しかも慣れてるウチの学校の合宿所じゃないし!
他校の合宿所なんて何が出るか分からん!
出たとして仲良くなれる自信もないっ!

「俺に何かあったら困るでショっ? エース不在とか困んない!?」
「…………」
「先輩命令!ハイッ、起きる!」
「……ん~………ったく」
「"ったく"!?」

最終手段の"先輩命令"を出して、ようやく赤葦がのそりと布団に片手を着いた。
ものすんごく面倒臭そうに掛け布団を開いて、ふら…と立ち上がる。
俺もすぐさま飛び起きると、その手首をぎゅっと握った。

「マジ急いで!漏れそう…!!」
「ふいときます……」
「何のプレイ!?」

力のない人形みたいな赤葦を引っ張って、連中が寝ている布団の間を縫うようにドアの方へ向かう。
ガチャ…と廊下へ繋がるドアを開けたところで、すっかり消灯の今の時間帯、廊下は真っ暗。
辛うじて非常灯の明かりだけがついているが、何ならそれも時々消えたり着いたりしていて、ジジジ…なんて歪な電気音。
そこまで怖がりな方じゃないとは思うが、とはいえ慣れない建物の中に午前二時の時間帯に一人で彷徨くのにはなかなか勇気がいるもんデスよ?
冷たい廊下を、上履きに爪先引っかけて赤葦引っ張って出て行く。
よっぽど疲れてるのか、赤葦はふらふらで足も覚束ない。
半寝の状態でも何とか起きようとしてくれいるらしいが、俺が手を離したら絶対すぐに回れ右して寝に戻るやつだコレ。
暗い廊下を進んで、人気の一切ないトイレの前に辿り着く。
…今ここで偶然同じく用を足しに来た誰かがやってくれば、赤葦もーいーやサンキュー!ってなるけど、誰もいない今、俺が終わるまでここにいてもらわなきゃ帰り道困る。
カチカチ、とトイレ内部の電気をつけると、また赤葦が眩しそうに顔を顰めて背けた。

「いーか、赤葦。俺が出てくるまでちゃんとここにいろよ?」
「……はい」

目を擦りながら、聞いているのかいないのか、赤葦はふわっとした感じでこくこく頷いたりする。
…いまいちシンヨーできないけど、まあいてくれるだろう。
これでいなかったら泣くよ、俺。
明日一日とかスパイク打たないよ?
可愛い後輩を信用してドアの前に残し、俺はトイレへ入った。

「ううう…」

家のトイレは全然平気なのに、どーしてこう学校関係の夜のトイレってのは微妙に怖いんだか!
鏡とかこんないらない!いらないから!!
モノ的には綺麗なトイレなんだが、そーゆー問題じゃない。
手洗い場の方は見ないようにすたすた奥へ行き、誰もいないずらりと並んだ小便器の前で用を足す。
…背後に個室ってこの並びも止めて欲しい。
怖い怖い怖い!
時々、天井からパキ…なんて軋みが聞こえる度、ビクゥッと背筋を伸ばす。
けど天井は見られない…てゆーか余計な場所はなるべく見ない!
…はー。でも漏らすとかナシで良かった。

「トイレとか、部屋ん中に作ってほしーわー」

まあ、学校の合宿所なんて十数年前のものが多いわけだし、綺麗な合宿所なんて滅多無いけどな。
今は振り返りたくないが、個室にウォシュレットが着いてるだけで上物ってモンだろう。
用を足し終わった今、寛大な気分にもなれる。
我慢してた分すっきりした気分で手洗い場で両手を洗い、廊下へ出た。

「よー、赤葦!お待たー……せ?」

片腕を上げて勢いよく戻ってきた廊下だが、嫌味でも言われるかと思ったら無反応。
それもそのはずで、トイレ横のガラス窓に寄りかかり、腕組みした状態で赤葦はお休み中。
こてん…と下がった首が折れそうで微妙にコワイ!

「え、ナニ? 寝てんの?」
「…」

少し背を屈めて覗き込むように伏せた顔を見てみても、ぴくりとも反応しない。
耳を澄ませば、何とかすぅすぅ言ってる寝息と、それにあわせて上下している肩に気付ける。
…爆睡か!
立ったまま寝れんの!? 器用ネ!
それともそんだけ疲れてるってことなんだろーか。
そういや、他の連中も戻ってくるなり爆睡だったな。
初日とかは起きてたのに。
練習試合詰めで確かに普通の練習よりは疲れるけど…そんなに? そんな疲れる??
赤葦が疲れていようがいまいが、とにかくここに放置はできない。
組んでいる手のうち片手を、往き道と同じくがしっと握る。

「ほら、赤葦ー。戻るぞー」
「……っ」
「んなっ!?」

連れて行こうとすると、ものっすごウザそうに眉間に皺を寄せて俺の手を払いやがった!
…チョット!
先輩の腕払うとか何なの!?
そのまま窓に右肩を寄りかからせると、頭を窓に擦り付けてまたむにゃむにゃしてしまう。
ガチ寝か!
カチンと来たが、寝ているところを起こしたのは俺だし、確かにメーワクってのはあるだろーけど!
だからこそまた布団までは連れてってやらにゃーならんだろーが。
再びがしっと左手で赤葦の左手首を掴み、右手で向こうの肩を掴むとこっちに寄りかからせる。
一瞬ぴくっと眉が寄ったが、結局寄りかかる場所が欲しいだけなのか、俺の肩を貸してやるとまたうとうとむにゃむにゃ状態になった。
肩にかけた手で後ろから押し出すように歩かせる。
いつも朝練はピシッとした状態で来るし、合宿も朝しっかり起きられるタイプだし、たまーにこうして真夜中のトイレに付き合わせたことがあるが、それだってこの二年間で三回くらい。
その中でも今日が一番夢の中だなー。
起こすタイミングが悪かったのかもしれない。
ホラ、レム睡眠だかノンレムだかあるじゃん。
何かそんなの。

「あーも~。起こして悪かったな。ホラホラ、歩け歩けー!」
「……」

目を瞑ったまま夢の中の赤葦を歩かせて部屋に戻る。
連中を踏まないように気を付けながら布団の上に下ろすと、どしゃ…と崩れるように膝をついたが、そこからは半寝の状態にもかかわらず、妙にてきぱきと布団の四隅を手で撫でて枕の位置を直して、一人ごろりと横になると顎の下まで布団をかぶって再び丸くなった。
起きてんじゃねーか?みたいなその行動を、布団横で何となく見下ろす。
でもまあ、すやすや寝始めた姿を見ると、やっぱ歩いてる間も寝てたのかもしんない。
習慣ってやつか?
いっつも大体は起きてるし朝も強いしシャンとしてるから、寝惚け半分ってのは初めて見たかも。
レアー。
寝てる赤葦の枕元に屈み込んで、ぶすぶす指先で頬を突っつく。

「んー。赤葦疲れてんのね~」

それでも反応は無い。
つまらん。
やっぱソコは起きてこそだな。
突いていた指を止めて、代わりに掌で赤葦の髪を撫でた。

「サンキュ。…赤葦、いーこ。やすみ!」

にんまり笑って、手を引っ込める。
素直に自分の布団に戻ったついでに、横で寝ている木葉の髪もわしゃわしゃ無意味に撫でまくってから、俺も再び寝に入った。

できる羊のもふり方




…がやがやと周りで物音やら声やらがする。
うっさ…。

「木葉今日寝癖めっちゃついてね?」
「マジ何なんだよコレ!こんなん今までねーんだけど!」
「つーか寝癖なの、ソレ。お前の頭んトコだけUFO不時着したんじゃね?」
「鳥が巣作ったっぽい」
「不時着してねーし鳥も巣とか作ってんじゃねーよ、マジで。…クッソ、もー水かぶってくんわ」
「…木兎さん。木兎さん、起きてください」
「う~…」

ゆさゆさといつものように起こされ、すんげー嫌々目を開ける。
…もっとねてたい。
ぼやーっとした視界に赤葦がいた。
俺の隣に屈み込んで、スポーツ飲料のペットボトルを目の前で振る。

「もうすぐ朝食の時間です。そろそろ移動するみたいですよ」
「……」
「二度寝しないでください」
「…!」

ちらっと赤葦を見てもう一度布団に顔を押し当てようとしたのに、布団を抱いて片足丸出しで寝ていた俺の腕からそれをひったくる。
ぬおぉぉー…っ!
布団を取られて、それを追って片腕を思いっ切り上へ伸ばす。

「ヤダー!ねむいぃぃっ!!メシとかいらないっ!」
「そう言っといて後で"お腹空いて元気出ない"とか言うんですから、ちゃんと起きて食べてください。…どうぞ。寝起きに水分取ると動きやすくなりますよ」

布団を求めて伸ばした手に、代わりにぽすっとボトルを置かれる。
そういえば喉渇いてる気がする…。
横向きで寝ていた体を俯せにして、枕に顎を乗せるとボトルの蓋を開けて少し飲んだ。
…はあ。
渇いた体にスポドリが染み込むー…。
確かに、じわじわ少しだけ頭が起きてくる。

「あ~…」
「…お。木兎起きた~?」
「メシ行くよー」
「もうそのままでいいよお前。ぱっと見イケるから。戻ってきたら着替えろ」
「んー? …あー。お前ら着替えてんだ?」

見れば、連中は既に寝間着代わりにしてるティシャツとは別の練習着に着替えていた。
…みんな早いのネ。
でも俺着替えるのも顔洗うのも今は気分じゃないから後でいいや。
本当はもっと寝てたいけど、このカッコのままでいいなら動いてもいい。
ボトルに蓋を閉じて、枕元にでんと置く。
まだぼんやりした頭のまま赤葦を探すと、俺の足の方に立って、俺から剥ぎ取ったかけ布団を畳んでいた。
片手で頭を支えて、ごろっと寝っ転がったまま赤葦の方を見る。

「なー、赤葦」
「何ですか?」
「今日とか爆睡できた?」
「…」

俺がそう聞くと、一瞬赤葦がぴたりと止まった。
…かと思ったら、畳んだ布団を俺の足下の方へ置いてすたすた自分の布団へ戻ると、枕を持ち上げてみたり畳んだ布団をチェックしてみたり、いきなりガサゴソ荷物を確認したりし出す。

「チョット!イキナリ疑うとかどーなの!?」
「いえ…。何か仕込まれたならまだ俺気付いていないので…」
「何もしてない!何もしてねーから!」

両腕伸ばして赤葦のシャツを引っ張る。
何かイタズラでも仕込んだと思われたらしい。やってない!
胡散臭そうな目で赤葦がシャツ引っ張ってた俺の手をほどく。
イタズラなんてしてねーけど、何もしてねえとか言ったって疑われまくるの目に見えてる。
しかしてこの様子からして、赤葦は覚えてないっぽい。
それなら、"夜に起こしてトイレ付き合わせた"とか言わなくてよくね?
…ってことで、テキトーな言い訳を選出。

「きのーむにゃむにゃ寝ながら俺の名前呼んでたから、眠り浅いんかなー?って思ったんだけどさー」
「…え」

俺の嘘っぱちの言葉に、赤葦が一瞬驚いたような顔をした。
…え?
そんな驚かんでもよくない?
俺の嘘に気付かず、本気で寝言を言ったと思ったらしい赤葦が、首に片手を添えて何とも言えない微妙な顔で返してくる。

「…すみません。まあ…確かに、昨晩は木兎さんが出てきたっぽい夢見たんで」
「…! どんな夢どんな夢!?」

前のめりで枕を抱えて聞き倒す。
ここまでくると、実際と赤葦の勘違いがどんだけ食い違ってるのかとかキョーミある!
撫で撫でしてやったこととか覚えてんだろーか。
それとか、先輩っぽく肩貸して歩かせてやったこととか!
わくわくしながら耳を立てていたが、赤葦は少し考えた後で、その後はこれ以上時間はかけないとばかりに溜息吐いて立ち上がってしまった。

「覚えてません。珍しくないんで」
「え…!何、赤葦そんな俺の夢見てんの!? そんなに俺が好きか!」
「…」
「いや、そんだけ手ぇ焼いてんだろー」

俺と赤葦の話を微妙に聞いていたらしい小見が、少し離れた場所から突っ込んできた。
どしどしドアの方へ歩いていく途中の鷲尾が、むんずと俺の腕を引っ張り上げる。

「ほら、木兎。ぐーたらしてんな。行くぞ」
「えー。…って、木葉は?」
「夜の間に頭に鳥の巣作られたから先に水道行った」
「え、何ソレ??」

話してる間に起きてきた俺は、そのまま自分の足で立って枕元の飲みかけボトルを掴むとみんなと一緒にドアへ向かう。
俺だけシャツ色違うけどなっ。
いーよ、帰ってきたら着替えるし……っつーか、木葉は撫で撫でしてやったことを覚えてんだろーか。
アイツはアイツで後で聞いてみるとしましょー!
俺が立った後にぽいと放った枕を、赤葦が片腕下に伸ばして元の場所へきちっと戻してからついてくる。
ふと後ろを振り返れば、俺自身何をやったワケじゃねーのに、俺の布団が一番キレイ。
いっつもキビキビシパパな赤葦からすると、夜中のアレはかなりレアだったかもしれない。
そりゃ人間だしそーだろうけど、赤葦も寝惚けるんだな~とか思うと、"the年下!"という感じがしてカワイイ気もする。
いつもは全然カワイクねーけど!
…上履きを履き、わいわいがやがやする食堂へ向かう途中、後ろからそれとなく赤葦が傍に来る。

「…木兎さん」
「んあ?」

持って出てきたボトルの蓋を開けて飲もうとしてたところ、不意に声をかけられ中断する。

「覚えが無いとはいえ、昨晩はすみませんでした。俺が変な寝言言ってても、気にしないでください」
「ん? おー。ハイハイ」

てゆーか実際寝言言ってないけどっ。
俺が勝手につくっただけだし。
…うーむ。
そこまで言われちゃうと、逆にチクチク罪悪感的なものがね、来ちゃうもんよ。
一瞬正直に言っとこうかどうか迷ったけど……スマン、赤葦。
俺、お前に怒られたくねーし…ってことで、黙ってる!
…しかし、ホンットに覚えてねーのな。

「…」
「…何ですか」

飲もうとしていたボトルに再び蓋をして、何となく赤葦の頭をぺちっと叩いた。
そーゆー気分。
疑問符を浮かべている顔を見下ろし、褒めてやる。

「赤葦、いーこっ!」
「は? 何……いや、止めてください。何なんですか急に」

何か赤葦っぽく無くてレアだったから、また微妙な時間にトイレ行きたくなったら起こそ!
迷惑そうに俺の手を避ける赤葦の頭から手を浮かせ、食堂のドアを開けた。



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赤葦さんは結構木兎さんの夢を見る。
何故か、彼は神経質そうですが眠ると深そうな気がしてます。
木兎さんがうるさくなり過ぎちゃう気がして…加減が難しいです。
2016.1.30





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