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切羽詰まった月の頭。
多少出てくんのが遅れた遅れた今月のスケジュールが出たと同時に、休暇のチェックをする。
以前は、休暇なんていらん! ティタイムさえきちんと取ってくれりゃ休日返上じゃさくさく仕事やんねえと終わるかああっ!!…なんて張り切ってた時期もあったが、ここ数年は休暇が何よりも大切だ。
来月スケジュールの表示されてるスマフォの画面を開きながら、横で革製の手帳を開き、ざっくり来月の流れを読んだ後で、開いた日にちをチェックしてペンの先で一度叩き、スケジュール開いたまま今度は画面上で軽くペンを滑らせ、電話帳を呼び出す。

Trrr…Trrr……。

「…」

イスの背もたれにもたれ掛かり、足を組んだ。
ふと、視界に少し伸びた前髪が入る。
…そろそろ切るか。
なんて思ってペンの先で何気なく内側から向こうへ突っついていると、唐突に呼び出し音が消えた。
ピ、とかいう軽い電子音の後で、落ち着いた声色がフォンの向こうに出る。

『はい、もしもし。日本です』
「よ、よう日本…!」
『ええ。こんばんは、英国さん』

三日前くらいに通話したが、何度聞いてもいい声だ。
一気にテンションが上がる。
お前の携帯に電話掛けてんだから一々名乗んなくてもいいだろうに、毎回名前言ったりとか、そういうとこちょっと変わってるが、そこが可愛い。
だから俺、こいつに電話かけんの好きなんだよな。
…まあ、一番いいのは勿論会うことだが。
だからこうしてビジネス相手より先にかけてるわけだしな。

「今時間大丈夫か?」
『はい。大丈夫ですよ。何かありましたか?』
「いや、今月末、俺珍しく土日空いてる日があるんだよな。だからお前んちあ、遊び…とか…。いきたいな~…とか」

スパッと決めるつもりだったが…。
いや、寧ろ「会いに行ってやる!」レベルで押すつもりが、やっぱどうも上手くいかない。
無意識にじわじわと弱くなる声で何とか言い切り反応を待ってみるが、そんな心配は全く必要無く、日本はしっとりと相槌を打った。

『それは良かったですね。是非遊びに来てください。お待ちしています』
「あ、ああ…!」
『具体的にはいつですか?』
「ちょっと待ってろ。えーっと…」

フォンを肩と耳の間に挟み、改めて手帳を見る。
今月最終週の土日だ。
それを伝えると、携帯の向こうで軽いペンを走らせる音がした。

『最後の週ですか…。承知しました。ご到着は夜頃ですよね。では、お待ちしています。…何か夕食のリクエストとか、ございますか?』
「いや、任せる。何でもいい。…というか、いいか日本。泊まるからな!」
『え…。ぁ、は、はい…。…まあ…ええ』

思わず片手でぐっと拳を握って、勢い付けてオブラートに包みつつ宣言すると、一気に日本の声が小さくなって多少狼狽える。
…よし。伝わったな。
予め宣言しとかないと普通に離れとかいって客間に通されるんだ。
先制しとかないとな。常に。
先手必勝。
土日休みなんて滅多にないんだ。
存分に愉しみたい。
あの腕の中にすっぽり加減のサイズを抱き締めて、指に一切引っ掛からない恐るべき髪質撫で回してぐりぐりしたい。
もうそれだけでどんなにハードワークだろうが今月は生きていけそうだ。
…意図が伝わったっぽいところで、力んでた腕を開いてそのまま肘置きに添える。

「逆にこっちで何か用意するものあるか。欲しい物とか」
『いえ、特段。…でも、そうですか。最終の土日ですか…』
「何かあるのか? 仕事とか」
『いいえ。その日は私もお休みですから。ではなくて…』
「…?」

そこで日本が小さく笑う。
一体何なのかさっぱり分からず、俺は首を傾げた。

「何だよ?」
『英国さん。今日は満月なんですよ』
「あ…?」

携帯越しのそんな話題に、イスを反転させて背後にあるでかい窓を振り返る。
俺と日本との時差は約9時間。
あいつの所で月が輝いている時間でも、俺はその日の午前中だ。
時間は俺よりも日本を気に入っていて、俺よりもあいつの所へ先に訪れる。
…満月か。
正直、あまり関心はない。
満月の日は魔力は増幅するが、同時に不吉な日でもある。
俺的にはあまりいい日じゃないが、日本はやけに月や空や季節の話が好きだ。
そこが魅力的ではあるが。

「ふーん。…でも、それが何だ? また綺麗だって話か?」
『ええ。綺麗ですよ。でもそれだけじゃないんです。今月はね』
「…悪い、日本。全然意味が分からないんだが」
『いらっしゃった時にお話しますよ。…それにしても、英国さんは本当に不思議な方ですね』
「…。そ、そうか?」

しみじみと告げられ、思わずちょっとだけ微妙に脱力する。
お前の方がよっぽどだと思うんだが…。
それだって、お互い島国だから大陸の奴らとは確かにちょっと違うのかもしれないけどな。

「じゃ、今月末な」
『お待ちしています』
「ん。I love you more …」

――ピッ!

「…」

締めを言い終わる前に、空かさず電源を切られる。
こ、こいつは……。
イスに座っていた身体を前屈みにしてデスクに肘を着き、指先で眉間を押さえること数秒…。
がばっと勢いよく身を起こし、空かさずリコールした。
さっきまで通話していたから当たり前だが、一回目の呼び出し音とは比べものにならないくらい早く日本が出る。
…が、その声は酷くしどろもどろだ。

『は、はひ…』
「お前何でいつもそこで切るんだよ!!」

噛み付くように声を張ると、ばたばたと向こうで袖を揺らす音がした。

『そういうこと止めてくださいって言ってるじゃないですか…!』
「挨拶だろ!? お前の好きな礼儀だろうが! 恋人からの愛の言葉切るってどんなだ!? セフレか俺たちは!!」
『い、居たたまれないんですよ…!勘弁してください』
「ふざけんな慣れろ! I love you more than words can say!!」

怒鳴りつける勢いで愛の言葉をぶん投げ、今度はこっちから強制終了させる。
ペン先で叩くように画面をタッチし、そのまま勢いよくデスクにフォンを置いた。
ばんっ…!と叩き置く頃には、ぜーはーと肩で息をしている自分がいる。

「…ぁああ!もうっ!」

数秒後、電話をかけ直したときと同じく勢いよく顔を上げた。
変わってるのは結構だし魅力なんだが、お陰でこっちのペースが狂いまくる。
何かもーどうしていいのか分からなくなるな。
確かに拒否ではないが、恥ずかしいという理由でここまで断らなくてもいいだろう。
通話なんか誰も聞いてないんだ。
尚更散々に愛を語りたいのは俺だけか…ったく。
胸中でぶつぶつ言いながら、指先を動かしてスケジュール帳の約束の日にちをぐるりと囲む。

…さて。
今回は何を持っていってやろうかな。
横道にすっ飛ぶ思考のまま、デスク端に積んでる書類を取り敢えず一束引き寄せた。

You are a person of my fate



「…お?」

着く頃には夜になっていた。
今更時差呆けなんて間抜けなことはないが、それでも微妙に疲れた足で土を踏む。
手前の道でタクシーから降りて、簡単な荷物片手に竹に囲まれた狭い小道を進んでいくと、やがて木造の門が見きた。
顔を上げると、薄暗い中、明かりの下にちょこんと立っている人影が目に入る。
周囲が暗ければ暗いだけ、ぼんやりと淡い明かりの下にいるその姿は幻想的に見えた。

「よう、日本」
「こんばんは、英国さん」

片方の袖を抑えながらひらひらと振る様子が蝶みたいだ。
それまでよりも大股で、上着をかけた腕を軽く挙げながら歩み寄る。
ざくざくと土道を歩く俺の足音だけで、音と言えば、後は虫か梟かというところだ。
日本の家は都心部から結構離れている。
大きな道からは随分前に外れたし、細道を進んで漸くここだ。
首都に勿論家は持っているし、そこも十分広いのだが、いつも使っているのは仕事用の別宅で、妙に人里離れたこの家が日本の本宅なのだそうだ。
…なんてことを知っているのが俺だけであってくれ!と思う。
少なくとも、仏蘭西や米国とここで鉢会ったことはないし、話題にも出ない。
俺が知っているだけならいいなと思う。
俺が駆け寄ると、日本は小さく頭を下げた。

「お待ちしていました。お仕事は上がりで疲れていませんか?」
「全然。余裕だって」
「それは良かったです」
「外で待ってること無かっただろ。寒かったんじゃないか?」
「いえいえ。まだ出られない程ではありませんよ。…さ、どうぞ。上がってください」

カラカラ…と心地の良い音を立てて、細い格子のような門が開く。
踏み込んだ直後、庭の奥の方からどこからともなく、すたたたたっ、と丸っこい日本の飼い犬が素早く駆けつけてきたが、日本の隣にいた俺の顔を見るなりその場に腰を下ろして尾を振った。
門と玄関の小道を通る時に、そのもこもこした頭に手を置いて軽く撫でてやった。

 

 

…遠くで梟の鳴く声がした。
Hoot Hoot と鳴くその声が耳に入って、伏せていた目をゆっくり開けると、距離を取った真正面に木目の天井が見えた。
…ああ、まずいな。
寝ちまったのか、俺…。
部屋の明かりは消えていて、腹の上には薄い毛布みたいなのが掛かっていた。
ここは食事を取った部屋だ。
中庭に面している。
尤も、今中庭に接している廊下は障子が閉まっているが。
…通された部屋は、結局客間だった。
玄関とかがある方からは離れているが、日本もこっちで飯食ったし、こっちで寝るって言ってたし、まあいいだろうという話になって、酒を飲んで…。
…。
うん。
その辺りで寝たな。

「…。う~…」

目を少し擦ったが、瞼が重くて動けない。
絶対畳のせいだ。
ベッドでもソファでもないのに寝転がって伸びをするなんて、家じゃ滅多に出来ない。
草の匂いも気に入っていて、こうやって一度横になって油断しちまうとすぐに寝入ってしまう。
暫くぼけーっと目を伏せたまま無心で微睡み、目を擦ったり寝返り打ったりを何度か繰り返す。
日本は部屋の外に出てるみたいだし、もう少し眠っていようか…。
そんなことを考えながら廊下の方へ寝返りを打った所で、廊下の軋む音がした。
カラ…と滑るような音を立てて、障子が僅かに開く。
今夜は月明かりが強いのか、夜だというのになかなかの逆光になっていた。

「おや…。英国さん、起きられましたか?」
「……んー…」
「…やっぱり、お疲れだったんですね」

横向きのまま、自分の腕の中に鼻先を埋めていると、いつの間にか傍に座っていた日本が髪を撫でたのが分かった。
殆ど無意識に、むんずと片手でその袖を握る。
…が、ねみぃ。
睡魔がぐいぐい俺の意識を引っ張っていく。
こんなはずじゃなかったのにと思うが、それよりも眠くて仕方ない。
特に反応もせずに沈黙していると、少し経って小さく笑った声が聞こえた。

「眠気覚ましに、今熱い紅茶でもお持ちしますね」
「…」

引っかけた俺の指を丁寧に外し、日本が再度立ち上がった。
部屋を出ようと入ってきた障子の方へ向かう背中を、横になりながらぼんやり眺めていたが、彼が障子を広く開けた瞬間、その向こうの中庭の空にぽっかりと丸い月が見えた。
…。

「…満月だな」
「…?」
「月が…」
「…ああ」

俺の途切れ途切れの言葉で日本は察したらしく、片手を添えていた障子に両手を添えると、すっと全て開いた。
反対側の方も遅れて開け放たれ、俺のいるこの部屋から、切り取られた絵画のように中庭の様子と空に浮かぶ満月が見えた。
…障子を開け放ち終わると、立っていた日本が廊下の端に足を揃えて座る。

「今日は本当に良い月夜ですね」
「…」
「何か違和感に気付きませんか、英国さん」
「…何がだ?」

ごろりと仰向けに寝返りを打って顎を上げ、逆さに世界を見上げる。
視界の角度がいつもと違うと、尚のこと夜空が近く見えた。
俺の気のない反応に、日本が袖で口元を隠して内緒事のように笑う。

「今月初め、お約束下さった時も満月でしたよ」
「ああ。そう言えば…。…ん? てことは…」
「気付かれましたか? 今月は、奇しくも一ヶ月に二回満月があるんですよ。"ブルームーン"です」
「…」

ブルームーン。
…天文学的には何の意味もない俗語だ。
意味は何種類かある。
単純に青く見える月を差すこともあるが、その中の一つに一ヶ月の間に二回満月があることもこの俗語で呼ばれる。
勿論、滅多にあることじゃない。
こんなに珍しいことを愛好家が放って置くはずがない。
散々報道されていたんだろうが、新聞は毎日読んではいるが、今じゃ政治だ経済だでなかなかこういう記事は読まなくなったから見逃したのだろう。
確かに、今日と、今日という日を約束した日がそれぞれ満月に重なっているとは偶然だ。
珍しいことだという意味で、日本は喜んでる訳か…。
…だが、俺からすれば一般的には"Blue moon"は慣用句だ。

「…」
「…英国さん?」

寝惚け眼のままぼんやりと眉を寄せた俺を、どうやら日本は見逃さなかったらしい。
いいや、いっちまえ…という投げやりな勢いで、そのまま顔を背けた。

「…そこ閉めろよ」
「え? …障子ですか? でも折角」
「閉めろ」

言葉を遮るように少し強めに言うと、日本が数秒沈黙した。
その後で、す…と殆ど無音に近い音で障子が閉められ、部屋の中がまたぼんやりと薄暗くなる。
…。

「あの…。申し訳ありません。何かお気に障りましたか…?」

恐る恐るという調子で、やがて日本が小さく声を発する。
…怒った訳じゃないんだ。
そんな声を出させたことに対して、いかに寝起きとはいっても自分の態度の悪さに辟易した。
右腕を横にして目元を覆い、肩を竦めるように深呼吸を一度する。

「…悪い。違うんだ。…何か、否定された気がして」
「否定…?」
「俺とお前が上手くいかないとか言われてる気がして…気分が悪い。…なあ、日本」

ぐるりと仰向けだった身体を横向きにして、ぱたりと畳に落としていた片手の指先を、部屋の端に座っている彼へ向けて伸ばす。
こっち来いよと軽く人差し指で招くと、少し狼狽えてから、ちょこちょこと四つん這いで畳の上を移動してくる。
手が伸ばす範囲に入ってきたと同時に、折れそうな細い手首を片腕一本で掴んで引っ張った。

「うわぷ…!?」
「ぐえっ!」

勢いよく引っ張ったからか、ヘッドスライディングの要領で日本が俺の脇腹に落ちてくる。
…強引すぎたか?
まあいいや…。
横向きに寝そべってた俺の身体の上へ折り重なり、背中の後ろに手を着いて慌てて立ち上がろうとする日本の頭上に、上から片手を置いた。
びくりと大袈裟に小さい身体が警戒する。
暗に起きるなと指示すると、怯える猫のように微妙に身を引いた状態で、日本が俺の顔を見下ろした。
腕で目元を覆ってる下の隙間から、覗き見るようにそれを見返す。
目が合って、何となく悪戯がバレた子供の心境になり、少し笑ってみる。

「…。な、何か強引ですね…」
「そうか? …寝起きだからかもな。ぼけーっとしてて、優しさとか忘れそうになる」
「…」
「確かに偶然だな。満月の日に約束して、満月の日に会うなんて。…ロマンティックだと思うか?」
「違うんですか?」
「…"Blue moon"は"Blue rose"に並ぶんだよ」
「え…?」
「"不可能"で"希望が薄い"なんて…。星に言われてみろよ。腹立つだろ? …まあ、青い薔薇だって今じゃ可能な時代だけどな」

軽く抑えている日本の髪を、くしゃりと指先で乱す。
月のことを知らずにいたら、もう少し優しく撫でられたかもしれない。
目元を抑えていた腕を退けて、畳に右手を着くと身を起こした。
そのまま逃げようとする日本の襟首捕まえて、空かさず脇の下に手を入れると向かい合うようにして膝の上へ置いてやる。
察して早くも赤くなる様子が可愛くて、思わず顔が緩んだ。

「月とか季節がそんなに大事か? ガキじゃないんだ。ロマンティックとか…。そこまでいらないだろ?」

わしゃわしゃと髪を撫でる。
…両手で腰を抱いてゆっくり顔を近づけていくと、その分だけ日本が身を引いた。
…。
この期に及んでか…。
日本が恥ずかしがり屋だってのは知ってるし、多少の仕草は見ていてぐっとくるからいいんだが、感覚が違うせいで、腕を伸ばすと逃げるとかキスしようとすると身を引くとか、本心ではないとしても、そういうちょいちょいの仕草は結構その都度胸に刺さる。
近距離で覗き込むように囁くと、両手の袖を口の前に置いて丸まってる日本が布越しに俯き気味でぽつりと呟いた。

「…やるって言っただろ」
「ね、眠いんじゃないですか…?」
「んじゃ、お前が起こしてくれ」
「ふぇ? …わっ」

がしっと両手首を袖ごと掴み、万歳の要領で左右に軽く挙げる。
突然の事で驚いたのか、短い悲鳴が上がった。
少し間抜けなそのポーズのまま、改めて顔を詰める。
鼻先で異国の香りがふわりと揺れた。

「…お前が傍にいるんだ。どんなに珍しかろうと、月なんか見てる暇ねえよ。…だろ?」
「ぇ、ぁ…」

お前もだよな? という意味を込めて問いかけた直後、相手の口の中の"Yes"ごと、体内の酸素を奪うつもりでキスで飲み込んだ。
…月が綺麗とかどうでもいい。
珍しいとかどうでもいい。
月とか空とか、風とか季節とか、そんな話題よりも抱き締めたい。
俺がそうなんだから、同じくらいお前にも狂っていて欲しい。

「…好きだ」

近距離で言うには流石に少し照れるが、ほわほわした気持ちのままストレートに囁いて、相手の反撃を待たずにそのまま向こうに傾いた。
…庭や門で月光を背に立つ姿は本当に綺麗で大好きだが、その身体に落ちる月明かりを俺の影で遮るのも、本当に、同じくらいに好きなんだ…。



"青い薔薇"が珍しくなくなった。
"青い月"だって、そのうち平凡になってお前の視線から消えて無くなればいい。
小さな瞼に口付けながら、何となくそんなことを思っていた…。



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月話その2。
英国さんの家の慣用句とかは面白くて好きです。
やっぱり欧羅巴と亜細亜じゃ色に対する印象も随分違うよね。
2012.12.12

余談:ブルームーン

一ヶ月に二回、満月が来ること。
珍しい現象で、凡そ三年に一度の周期といわれている。
日本では一ヶ月に二回の満月を見ると幸せになれるという言い伝えがあるが、欧羅巴では、ブルームーン=非常に珍しいこと=“不可能”という慣用句になっている。
また、月自体がどちらかといえば魔法、魔術、モンスターなどの象徴となっているせいか、良くない兆候を示す事例として伝えられている。
その一方で、全く関係なく青い月のことを示すこともあるが、これもまた珍しい現象なので、結果として“不可能”“可能性の低い”“希望のない”というイメージで使われる。






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